生活習慣病の遺伝

なりやすさ、なりにくさ

20世紀になってから生物学の研究は飛躍的に進んでいき、遺伝についてさまざまなことが分かりました。
基本的に人間の体というのは遺伝子によってプログラムされた結果としてつくられています。
遺伝子にはさまざまな情報が含まれており、生物の体を形成するための設計図としての役割を持っているのです。

遺伝子の違いがそれぞれの人間の違いを特徴づける際に一定の役割を果たしています。
もちろん、すべてが遺伝子で決まるわけではなくて、他にもいろいろな要素が関わるのですが、たとえば臓器や器官の構造といったものについては遺伝子の影響がとても大きいです。
そのため、遺伝子に少しでも異常が存在していると、それが原因となって臓器や器官に構造的な欠陥が生じてしまうことがあり、それが生活習慣病を引き起こす可能性もあります。

さまざまな細胞の形成に遺伝子が関与しているため、遺伝子によっては太りやすいや痩せやすいといった違いがあるのです。
実際、どれだけ食べてもなかなか太らない方もいれば、少し食べただけですぐに太ってしまう方もいます。
これらの違いによって肥満のなりやすさが変化してしまい、生活習慣病にも影響するでしょう。

これまでは体質による違いとして病気の起こりやすさが異なるという曖昧な表現でした。
今ではその体質の違いが本質的には遺伝子の違いに起因していると予想されており、そのための研究も進んでいます。
注意点として、人間はすべて遺伝子によって規定されていると短絡的に考えてはいけません。

特に生活習慣病に関してはあくまでも病気のなりやすさに多少なりとも寄与していると考えられているだけです。
日頃の生活習慣を見直すことによって、遺伝子による影響を最小限に抑えることができるでしょう。

遺伝子の将来

将来的には個人が自分の遺伝子を調べてもらい、それによってなりやすい病気を診断してもらうことが普通になるでしょう。
たとえば、遺伝子の違いによって特定の栄養に対する感受性が異なっていることもあるのです。
どのような生活習慣を整えればいいのかを遺伝子をもとにアドバイスしてもらえる日がくるかもしれません。

ある病気にかかりやすいか、ある薬に対して副作用がでるのか、といった点は遺伝子と密接に関わっています。
まだまだ遺伝子に関しては分かっていないことが多くて、21世紀の間ですべてを解明することは不可能でしょう。
それでも少しずつ遺伝子に関するデータが蓄積されていき、それらは次々と医学に応用されています。

21世紀は医学がより進歩する時代になると考えることができて、それには遺伝子が大きく関わっているのです。
これからは生活習慣病の原因としての遺伝子がより注目されるようになるでしょう。
個人の違いを決めている根本的な原因としての遺伝子について、より多くの情報を得られるようになります。